私が帰郷したときの楽しみは地元のスーパーに入ることである、懐かしの食材や田舎ならではのつまみや地酒を探し悦に入るのが何よりの喜びである。
そんな時に会津のお酒を見つけてしまった、私の田舎は宮城県なので隣の福島県、とりわけ会津のお酒が並んでいても不思議ではない。しかしそこは大の会津ファンの私ですので、ついつい銘酒「国権」と「弥右衛門」を買ってしまった、そして当夜の田舎での晩酌に並んだのが写真の2本である。
大好きな会津のお酒を2本も並べて晩酌することがひとつの間違いである。どちらか一本だけ選び晩酌のお酒とすればよかった。2本も並べるということはある意味正室と側室を同席させるようなものである、またの例えは本妻がいるのに愛人を連れて帰ってしまったようなものである(私は経験ないが・・・)。
どちらを選ぶのか、これが悩ましい選択である。
あちらを立てればこちらが立たずとはよく言ったもんだ、日本酒の選択だからいいようなものの、これが女性の問題だったら修羅場になるところだ。
「国権」を一口飲んでは次は「弥右衛門」を飲む、または「弥右衛門」を飲んだら「「国権」を飲む、これで解決するはずが、ついついいい気になって「国権」を続けて飲んじゃうとこちらが立たずとなるわけである。
当夜の晩酌では「国権」のみを晩酌に出して「弥右衛門」は翌日に控えてもらうのが賢明な選択です。つまり簡単に言えば側室はまたの機会に相手すればいいし、愛人ならば今夜は身を引いてとなだめることが肝要だ。修羅場を回避して穏便に晩酌する、これはいいことだ、私もあやかりたい。
「国権」
国権酒造株式会社
福島県南会津郡南会津町田島字上町甲4037
創業:1877年
「国権」は日本酒には珍しくお燗に特化したお酒である、国権酒造株式会社によればお燗の種類は3種の分けられ、「上燗」は45度、「熱燗」は50度、「飛び切り燗」は55度とお燗の温度が細分化され、それがおいしい「国権」の飲み方だそうである、ちなみに燗は60度以上になると暑すぎて徳利が持てなくなるどころか、酒本来の味や風味が損なわれるそうだ。
私も日本酒を飲んで火傷したくないし、女性との火遊びで火傷したくはない。どちらにも共通することである。
「国権」の名前の由来は、現代では「独立国としての国の権利」と解釈しているそうである(国権酒造株式会社のホームページより)。しかし私は独立した地方としての会津の権利を守ろうとしているのではないかと深読みしている。
「弥右衛門」
大和川酒造株式会社
福島県喜多方市寺町4761
創業:1790年(寛政2年)
会津藩家老田中玄宰が行った「天明の大改革」の殖産興業により、初代の佐藤弥右衛門により酒造りが始まった、昭和19年の国家総動員法に基ずく企業整備法により耶麻酒造株式会社大和川工場となり、戦後の昭和30年に耶麻酒造の解散により合資会社大和川酒造となった。
喜多方市にある同社の「北方風土館」には江戸蔵・大正蔵・昭和蔵などがあり、文化活動に発揮している。
最近では日本酒だけではなく、会津電力という会社を設立して電気まで作っている。
すばらしい。
酔っ払い記者 伊藤
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