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ザ・戊辰研マガジン

2020年09月号 vol.35

コロナで泣きっ面にバッタ大発生なぜ?天候で相変異

2020年09月06日 15:02 by tetsuo-kanome
2020年09月06日 15:02 by tetsuo-kanome

 いま、世界各地では人類の手に負えない2つの脅威にさらされております。ひとつは新型コロナウィルス感染症の拡大。世界の新型コロナウイルス感染は、中国で昨年12月末に新型ウイルスが最初に発生して以降、これまでに196の国・地域で少なくとも2500万人以上の感染が確認され、亡くなった方は85万人を超える勢い。そして、もうひとつの脅威はバッタの大量発生です。バッタは制御が難しい。ひとたびバッタに襲われると農作物は食い荒らされ、食糧難に見舞われるだけでなく、物流も途絶えてしまいます。アフリカ・ケニアでは、ここ70年来で最悪レベルのバッタの大発生に見舞われました。このバッタは「サバクトビバッタ」という種類で、自分の体重と同じ量の植物を1日で食べてしまうといいます。数100億~1000億匹という途方もない数の群が押し寄せ、農作物を根絶やしにしてしまう。国連の報告では、1平方キロメートルのバッタ4000万~8000万匹が押し寄せると、1日で3万5000人の食料を食い潰してしまうといいます。バッタは牧草も食い荒らすので家畜へも被害が及びます。バッタの死骸は水も腐らせてしまいます。各地ではコロナ禍とバッタ禍との「二正面作戦」となっており、数千万人が食糧危機の局面にあるといいます。今回のバッタの大量発生は、数十年で最大規模。原因はこの2年ほどで巨大サイクロンがいくつも発生して降水量が増え、バッタの餌となる植物が増加したことであります。バッタは農作物を食い荒らしながら、アラビア半島からインドへと移動。中国にも迫る勢いだそうです。サバクトビバッタは、農作物を食い荒らす被害が、アフリカ、中東、アジアの20カ国以上に広がっております。ケニアでは東京都より広い2400平方キロに及ぶ巨大な群れが確認された。新型コロナウイルス対策で各国が出入国や移動を制限し、殺虫剤の調達や散布は難航。駆除は後手にまわり、深刻な食糧難や生活困窮者の急増をもたらしている。農作物が被害に遭うという泣きっ面にハチならぬ「バッタ」という状況。展開によっては、穀物価格の上昇など食料分野で影響が出てくる可能性もあり、国連食糧農業機関(FAO)も情報収集を進めている。バッタの大量発生で昨年から注目を集めるのはアフリカや中東、インドなどの一帯だ。FAOなどによると、エチオピアやケニアなど東アフリカの6カ国で2千万人超がバッタの被害により食料不足に陥っている。インドでは約30年ぶりの規模でバッタが大発生し、ラージャスターン州など少なくとも9州に大群が侵入した。欧州にもその範囲を広げ、イタリアのサルデーニャ島にも到達。島東部のヌオロ市だけでも約3万ヘクタールの作物に被害が出ている。FAOの担当者は「コロナの影響で航空便が激減し、殺虫剤の供給が遅れた」と説明。被害地域の大半では例年より多い降雨が見込まれ、繁殖が加速して個体数が現在の8千倍に増大するとの予測もある。1平方キロに広がる群れの場合、1日当たり約3万5千人分の作物を食い尽くすといいます。

 バッタの大量発生と新型コロナウィルスの世界的拡大は、地球温暖化が一因だと指摘する声もあり、国連食糧農業機関(FAO)は「新型コロナと合わせ、バッタの大量発生により食糧危機も懸念され甚大な結果となり得る」と警鐘を鳴らしております。

 こうしたバッタ大量発生の原因も、実は、地球温暖化は深刻な状況なのかもしれません。

 

 ロシア・シベリアの北部に「世界の寒極」と呼ばれる町ベルホヤンスクがあります。

 これまでの最低気温記録は氷点下67.8℃と、冬にはとてつもない寒さが襲います。この町の気温が今年6/20、38.0℃まで上昇しました。これはこの時期の最高気温の平均を16℃も上回ります。この記録が世界気象機関に正式に認められることになれば、シベリアの観測史上最高気温どころか、北極圏における史上最高気温となる可能性があります。まだ夏が始まったばかりのこの時期に、とんでもない事態が起きてしまっているのです。シベリアなどの高緯度の地域では、地球全体の平均に比べ倍以上の速さで気温上昇が進行しています。ロシアはその国土の3分の2が永久凍土の上にありますが、その土台が解け始めているようです。 今月上旬には、ノリリスクという町の火力発電所のオイルタンクに亀裂が入り、2万トンもの軽油が流出しました。油で汚染された周辺の川は怪しげな赤色に染まり、環境保護団体は「北極圏史上最大級の燃料流出事故」と指摘したほどでした。その原因も、永久凍土が解け地盤が緩んだためと考えられています。この町では、永久凍土が解けた影響で6割の建物が変形したともいわれているのです。 病原菌の復活 永久凍土の融解で、長い間眠っていた病原菌が目覚めるという、そんな恐ろしい事実も報告されています。2016年シベリアで2,000頭ものトナカイが死亡、そのあと人にも感染して、少年1人が亡くなるというニュースがありました。どうもその理由は、70年前に炭疽菌に感染した動物の埋葬地の氷が解けたことにあるようです。そこに付着していた病原菌がトナカイに移り、その後トナカイを食べた人にも移ったと見られています。ロシアと言えば、北極海航路が開いたり、天然資源開発が進んだりと、「温暖化の勝ち組」と言われてきました。しかし同時にこうした恐ろしい問題も生まれています。

【シベリアの異常高温の様子・・・永久凍土が溶け始めている】

このような異常気象の中、ホッキョク熊の絶滅危機も叫ばれております。

 また、今年の日本の気候もコロナ禍の中、異常気象です。梅雨がなかなかあけず、長雨が続きました。梅雨明け以降は、猛暑、酷暑が続き、危険な暑さ、深刻な暑さが続いております。また、異常なゲリラ豪雨も度々発生。地球は怒っているのかもしれません。まちがいなく、地球温暖化の影響に違いありません。日本全国では環境保護の一環で、今年7月からレジ袋の有料化となりました。一人一人が地球温暖化を真剣に取り組んで、少しでも生活様式を変えていく必要が急務かもしれません。

 【記者 鹿目 哲生】

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