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mikiの幕末・明治史跡めぐり帳 「“三池藩” に伊東甲子太郎 来る!」

2021年08月31日 17:28 by minnycat
2021年08月31日 17:28 by minnycat

“三池藩” に伊東甲子太郎     来る!!

  先日、大牟田市立図書館で郷土資料をパラパラとめくっていたら私的には大発見をしてしまいました!我がふるさと・福岡県大牟田市(三池藩)にあの新選組参謀の伊東甲子太郎が来ていました!!

現状の大牟田市といえば、財政破綻した北海道夕張市と同じくかつては三池炭鉱の町として栄えていましたが今は炭鉱も閉山し夕張市2号として名高い廃れた町ではないですか! …我がふるさとながらひどい言い方ですが本当のことです。今はそんな廃れた町に新選組参謀・伊東さんが来ていたとは私には驚きでした。 これがきっかけに私は、郷土史にも興味を持ち始めたのです。 と、本論に入りましょう。 伊東さんが三池藩におみえになったのは時代下がって慶応3年(1867)年 正月。

 伊東は水戸人宇田兵衛の変名を使い、新選組浪士調役監察・新井忠雄、詳細不明の寺田某を同道して九州へ入っている。伊東は、この遊説の旅中『九州道中記』と題した日記にいろいろと書きとめていたらしいが、この日記は惜しくも先の戦災にて失われているらしい。しかし、鈴木三木三郎の2歳違いの兄にあたる小野圭次郎の著書『新選組覚え書』にわずかながら記されているという。その遊説の旅の道のりは、1月18日、島原木津楼で同士と別杯を酌みかわし、伏見寺田屋より淀川をくだり、浪花へ出て、20日、兵庫より蒸気船神速丸に乗り込んでいる。そして、22日、9ツ時に豊後佐賀関着、それより小船で鶴崎に至り、上陸している。その後、肥後大津、山鹿、南関を経て、三池へ至っている。 【塚本邸があったと思われる場所】

 三池に宿泊したのは、1月27日の一泊と、翌月2月6日からの4泊の計5泊である。宿泊先は、大牟田市八尻町(幕末当時 稲荷村((とうかむら)))の藩随一の豪邸であった塚本源吾(変名 清水源吾衛門)邸である。塚本源吾とは、石炭採掘販売業、薬種商などを扱う豪商の塚本家の長男であり、三池藩の誇る熱血的な勤皇の志士である。安政年間には久留米の真木和泉と提携、のち七卿落ちの際にはその護衛第7伍長に任命されている。ちなみに第2伍長には宮部鼎蔵、第4伍長には河上彦斎。

 九州での伊東は『九州道中記』にもみられるように、源吾と共に大宰府の三条実美をはじめとする五卿の所に行き、三条公並びに公卿の護衛長とも言うべき水野正名(渓雲斎)などに面会して、京都の情勢、幕府の動き等を話しつつ自分の勤皇攘夷に対する意見等を吐露したりしている。抜粋した九州道中記は、2月9日までだが、この日記はさらに10日、11日と続き、3月21日までの分を『新選組覚え書』には紹介してあるが、その間、北九州の添田へ行ったり、福岡・大分両県にまたがる英彦山に登ったり、大分日田へ出たり、久留米へ来たり、佐賀へとんだり、長崎大村あたりまで足を延ばしたりと精力的に遊説の旅を続けていたようだ。

 そして、帰路につくために、3月7日 豊後鶴崎より乗船、9日尾の道上陸、11日浪花に到着、12日昼淀川を船にて上京、同志に面会雑談をしている。 その後の伊東は、帰京そうそうの同年3月20日新選組を離脱し御陵衛士を組織したが、11月18日には新選組らによって斬殺されている。 以上が、大方の流れです。 伊東さんが訪れた九州の各所ネタや塚本源吾、三池藩のこともご紹介したいのですが、 長くなるので次回に譲ることに致しましょう。 この記事を書くにあたり参考、引用文献とさせていただいたのは 平成2,3年にかけて 『西日本新聞』 にて野口晋一郎さんが 「三池歴史訪訪 三池ところどころ」 と題して連載されていた連載文の一部です。 ご興味のある方は、大牟田市立図書館にスクラップがありますのでお出かけ下さい。  (代筆 minnycat)

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