その六十六 (マスク小咄の一)母娘の会話
「お母さん、最近忙しそうじゃない。どこ行ってんの。いつも出かける所もなくて、ヒマだヒマだって言ってるのに。」
「そうなんだよ。忙しいんだよ。昨日は駅前のマツキヨだろ。今朝は表通りのサンドラだろ。マスクが入荷したって情報があってさ、老人会の友達と並んでるんだよ。」
「えー?お母さんマスクなんか要らないでしょ。出かける所もないんだから。」
「何言ってんだい。行列並ぶのにマスクなかったらあぶないだろ。」
「へっ???」
その六十七 (マスク小咄のニ)マスク美人
「最近、街に美人が増えたような気がするんだけど。そう思わない?」
「それあ、気のせいだよ。」
その六十八 (マスク小咄の三)マスクの洗濯
「国が全世帯にマスク配るってよ。布製だから洗濯して使えってか?四月馬鹿かと思ったよ。ところで、あんたマスクどうしてんの?」
「オレかい?オレは前から選択して使ってるよ。」
「えっ。そのマスク不織布だろ。洗濯できんの?」
「新品のマスク終わっちゃってさ。この間ハッと気付いて、捨てずに何枚か洗濯バサミで吊るしといたのよ。その中からいちばんきれいなヤツを選択して使ってんだ。」
「なに、そっちの選択かい。」
(大川 和良)
季節外れの雪(埼玉)
2024年春季号 vol.5
今年は3月後半が寒かったせいか、例年より桜の開花が遅くなっておりましたが、全国…
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