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ザ・戊辰研マガジン

2019年10月号 vol.24

薫蕕を選びて

2019年10月06日 23:38 by tetsuo-kanome
2019年10月06日 23:38 by tetsuo-kanome

 昨年、戊辰戦争150年を記念して、戊辰戦争150周年記念誌刊行委員会の岩澤信千代氏が発行したのが「薫蕕を選びて」です。「薫蕕」とは、知識を深め良い香りと悪い臭いを選んで労力を惜しまないようにしなければとの意味で、ある意味では「薫蕕」は「ならぬことはならぬ」に通じるものであります。岩澤信千代氏は会津史学会の会員です。この「薫蕕を選びて」の中で私が一番感銘を受けたのは、長州(山口県)萩にある山本内科胃腸科の山本貞壽医師に岩澤氏が寄稿をお願いしたところ快諾を頂き、「会津藩主・松平容保は朝敵にあらずあろうはずがない」との題名で寄稿して頂きました。山本医師は、「長州と会津の友好を考える会」の代表であり、会津を訪れたのはなんと五十回以上。会津の地元住民との交流を20年以上続けておられます。

 2017年11月26日には、会津藩公日新館の館長の宗像氏が山口県の松陰神社の立志殿で講演会を企画したのも山本医師。宗像館長は、「今後の会津と長州の関係については、仲直りはできない。歴史の事実を消すことはできない。史実をしっかりと残したほうが薩長と会津の結びつきは強くなる。私はできるだけ山本医師に会うようにしている。黙って行ったり来たりすればいい。会津では今でも長州に対し恨みつらみを言っている人がいることを認めながら、それを超越していく思考の重要性を指摘。世界は今混乱している。同じ日本人として日本の国際貢献を長州と会津が一緒にやりましょう。世界の人たちを目覚めさせていきましょう」と講演しました。講演会終了後、山本医師は「私も和解と言ったことはない。出来ることをやっていきましょうと言っている。仲直りするというのではなく、自然体でやっていきたい」と話した。

 山本医師と宗像館長の関係こそが、長州と会津にとって未来志向であり、素晴らしい関係であると言えると思います。

 

【記者 鹿目 哲生】

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