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ザ・戊辰研マガジン

2019年10月号 vol.24

裏磐梯の五色沼湖沼群~スカイブルーの弁天沼に魅せられて~

2019年10月06日 17:52 by tetsuo-kanome
2019年10月06日 17:52 by tetsuo-kanome

 会津の裏磐梯には、「五色沼湖沼群」があります。1888年(明治21年)磐梯山頂北側、小磐梯を含む部分が水蒸気爆発によって山体崩壊を起こし、岩なだれが川をせき止め、このエリアに数百もの湖沼が形成されました。そのうちの数十の湖沼群が「五色沼湖沼群」です。「五色沼湖沼群」は、毘沙門沼・赤沼・みどろ沼・竜沼・弁天沼・るり沼・青沼・柳沼などの数多くの湖沼の総称です。沼によって、エメラルドグリーン、コバルトブルー、ターコイズブルー、エメラルドブルー、パステルブルーと色が違う不思議な場所で「神秘の湖沼」と言われております。まさに磐梯山の噴火が作り出した奇跡です。特に「弁天沼」は、自然が作り出したものとは思えない綺麗な色。沼は強酸性で魚が住めません。沼の成分は、ケイ素・アルミニュウムなどの成分を含んでおり、風で葉が水にぬれると脱色され白くなります。初夏から秋にかけてみられる現象です。5つの沼というわけではなく、様々な色彩を見られることから「五色沼(ごしきぬま)」という名前がつきました。色が異なる要因は、天候や季節、見る角度、水中に含まれる火山性物質などによると言われています。四季や天候、時間帯などによっても、少しずつちがった色にみえるそうです。五色沼自然探勝路は、全長約3.6kmで片道約1時間10分から~1時間30分程度。比較的平坦なハイキングコースです。アップダウンの少ないコースですが、岩がごろごろしていたり、雨降るとぬかるみができやすいため、足元には注意が必要です。この一帯は、国立公園内の「特別保護地区(特に厳重に景観を保護する地域)」に指定されており、動植物の一切の採集が禁じられています。また、植生保護のため、コースの外には出ないようにしましょう。

【弁天沼】

 

 数年前、私は、初めて檜原湖側からの遊歩道から青沼と弁天沼を目指してハイキングコースを歩んでいきました。まず、「青沼」の深いエメラルドグリーンの美しさには感嘆しました。

【青沼】

 最初の「青沼」だけでも、その美しさに大満足でしたが、その後歩を進めると「弁天沼」に到着。木陰から見えるスカイブルーの弁天沼は息をのむほどの美しさ。これまで私が見た湖の中でダントツに美しいスカイブルーにまさに魅せられてしまいました。「弁天沼」は、磐梯高原の五色沼の湖沼群を縫うように続く五色沼自然探勝路(全長3.6km)のなかほどに位置し五色沼のなかでは2番目に大きな沼です。標高は810m、ph4.5、透明度4mで、沼の西域の湖底にはウカミカマゴケが敷き詰められたように広がり、東域にはフトヒルムシロの群生があります。植生が大きく異なっている珍しい沼です。私の中で文句なくナンバーワンの美しさです。

【弁天沼】

  写真のとおり、私は「弁天沼」の神秘的な美しさにすっかり魅せられてしまい、しばらくの間、湖面を見つめて立ち尽くしてしまいました。すると、ネイチャーガイドが観光客を連れて「弁天沼」に到着した際にも、ネイチャーガイドは「五色沼湖沼群の中で一番綺麗な沼です」と説明しておりました。納得です。私が福島県勤務時、「弁天沼」を二度訪問しましたが、5月の雪解け時がさらに美しいと聞き、その透明度、美しさは格別でした。まさに心が洗われるようでした。

 この「弁天沼」や「青沼」以外にも「るり沼」「みどろ沼」など美しい沼は見所満点です。一般的に「五色沼」というと、観光バスでも簡単に訪問することができる「毘沙門沼」が有名ですが、この「毘沙門沼」だけでも綺麗ですが、「五色沼湖沼群」全ての美しさを堪能して頂きたいものです。

【裏磐梯の紅葉】

【紅葉の毘沙門沼】

 裏磐梯は、これからの季節は、紅葉も素晴らしく五色沼湖沼群の紅葉と沼の美しさは格別です。ぜひ、皆様も「五色沼湖沼群」を訪れてください。

【記者 鹿目 哲生】

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