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ザ・戊辰研マガジン

2021年06月号 vol.44

長孫河童伝説

2021年05月30日 11:23 by norippe
2021年05月30日 11:23 by norippe

 河童(かっぱ)は、日本の妖怪・伝説上の未確認動物である。鬼、天狗と並んで日本の妖怪の中で最も有名なものの一つであるゆえに、日本各地に河童にまつわる伝説が存在する。
 実は、私の住むいわき市にも河童伝説がある。そして河童を祀った祠が存在するのだ。先日、いわき市で化学工場が爆発炎上した事故があったが、その化学工場のすぐそばを流れる川が岩崎川。この川の約1Km先上流に、その河童伝説の祠、立て札が存在する。祠の横には夫婦と思われる河童の石像、その横に伝説を伝える立札が立っている。そして祠の中には河童が祀られているのである。

岩崎川の河童伝説の碑


祠の中にある河童のご神体

【岩崎川の河童伝説】
 藤の花は五月に咲くのが通常です。それなのに長孫の川土手には節でもない真夏の土用に、真っ白い藤の花を見る事がしばしばあったそうです。これは河童の恩返しだと言われています。
村人は河童が生け捕りにされたと聞いた長老が、「今までのこの岩崎川で河童が悪さをしたのを見たことも聞いたこともない、可哀想だから助けてあげなさい」と言い、それを聞いた河童は、右の小指を切って次のように書いたのでした。
 まだ人を殺したことはありません。しかし私は天王様に人間の行き胆を奉納しなければなりません。その時は、夏の土用の頃、川土手に白い藤の花を咲かせます。その花を見た年は川に近寄らないでください。必ず約束は守ります。命を助けていただき、ありがとうございました。
 その何年か後の夏の土用、川土手に白い藤の花が咲きました。
 人々は河童の花が咲いたと、下の堰での水遊びを戒めました。おかげで川での厄も起こらずに済んだそうです。
 現在では河川工事に伴い藤の姿は消え去ってしまい、この言い伝えを残すのみとなりました。
 (常磐地区まちづくり懇談会)

 岩崎川の河童伝説 ←ここをクリックすると動画で見れます。

 

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