全国の城と城下町巡り その3 山形① 鶴ケ岡城
山形県鶴岡市 鶴ケ岡城下
庄内藩です。鶴ケ岡城は鎌倉期に築かれ、城主は武藤氏、最上氏、上杉氏と続き、江戸初期に酒井忠次(2023年の大河ドラマ「どうする家康」では、大森南朋さんが熱演されています)の孫、酒井忠勝が入り、明治維新まで酒井氏の居城でした。現在、城跡は鶴岡公園になっています。
幕末期、江戸で結成されて、京にやってきた浪士組ですが、分裂後、京に残ったのが新選組になり、江戸へ戻った人々が新徴組となりました。京で新選組を預かったのが会津松平家で、江戸で新徴組を預かり、治安維持を図ったのが庄内酒井家でした。慶応3年末、テロを繰り返し、薩摩藩邸に逃げ込んだ浪士を追って、藩邸に砲撃を仕掛けたのは庄内藩士たちでした。この事件が鳥羽伏見の戦いの引き金となりました。
庄内藩は奥越列藩同盟に参加し、新政府軍と戦いますが、内部が結束していたのと、豊富な資金で手に入れた性能の良い武器のおかげで善戦を繰り返しました。とりわけ、庄内藩家老で、二番大隊・大隊長の酒井玄蕃了恒(げんば・のりつね)は、連戦連勝で新政府軍に鬼玄蕃と恐れられていました。当時、26歳。なかなかの美男子だったそうですよ。
維新後、酒井玄蕃は新政府に出仕するものの、残念ながら、明治9年、33歳で亡くなりました。結核を長年、患っていたそうです。鶴岡の図書館を訪ねてみると、酒井玄蕃関連の書籍が多数あり、郷土資料館でもかなりフィーチャーされていました。
城跡近くの大寶館という洋風建築に郷土資料館が入っていて、庄内藩の戊辰戦争での戦いの状況が展示されていました。
旧鶴ケ岡城の三の丸跡に、致道博物館があります。ここに、旧城下町の歴史的建造物が集められていました。この博物館は酒井忠次が織田信長を接待した際にもらったと伝わる刀剣「太刀 銘真光」(国宝)と、忠次の武功を称えて、家康からもらった「太刀 銘信房」(国宝)を所持していて、2023年春以降、大河ドラマ「どうする家康」が放映されていることもあり、展示されるようです。
写真は致道博物館内に設置された酒井家の江戸屋敷の赤門です。 作家藤沢周平は鶴岡市出身で、藤沢氏の描いた海坂藩は庄内藩がモデルです。城下には藤沢周平記念館があります。「蝉しぐれ」や「たそがれ清兵衛」、「武士の一分」などなど、味わい深い作品です。記念館では、じっくり藤沢ワールドに浸ることができます。
山形名物、芋煮です。店によって、内容はいろいろですが、素朴な味でした。
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