皆さん、会津に国宝があるのはご存知ですか?会津のへそと呼ばれている湯川村に勝常寺というお寺があり、本堂である薬師堂に祀られている薬師如来坐像は国宝に指定されております。また、勝常寺には月光菩薩像と日光菩薩像があり、共に国宝に指定されております。まさに、仏都会津を象徴する国宝です。
【国宝 木造薬師如来坐像】
【国宝 月光菩薩像】
【国宝 日光菩薩像】
勝常寺は、807年、伝教大師(最澄)の論敵として有名な法相宗の硯学徳一上人によって開かれた東北を代表する古刹です。創建当初の寺院名は詳らかではないですが中世以後勝常寺としております。創立された当時は七堂伽藍が備わり、多くの附属屋、十二の坊舎、百余ヵ寺の子院を有する一大寺院であったと伝えられております。現在残されている建物は元講堂(薬師堂)、本坊(客殿)、庫裏、中門等で仏像も三十余躯あります。これだけ多くの平安初期の仏像が一ヶ所に保存されているのは我が国でも珍しいといえます。
【徳一上人像】
数年前、私は勝常寺に国宝があることを知って初めて訪問しました。勝常寺に到着すると、まさに、古刹の雰囲気漂う境内で、寺の方に本堂を開けて頂き、国宝の薬師如来像を拝謁しました。「薬師如来像」は、ちょうどお顔に光がさしこんできて、私は魂が揺さぶられました。すっかり魅せられてしまい、まさにその場に立ち尽くしてしまったほどです。次に、保存庫の中に案内され、国宝の月光菩薩像と日光菩薩像を拝謁。こちらも素晴らしくまさに“息をのむ美しさ”。勝常寺の国宝はもちろん、仏像の数々はとてもとても見応えがあり、会津の歴史と底力を感じることができました。
【記者 鹿目 哲生】
読者コメント