7/23から会津若松市の福島県立博物館で開催中の「新選組展2022」に併せて、幕末の京都で活躍した新選組幹部の子孫によるトークイベントが8/17、会津若松市文化センターで開かれました。近藤勇の生家子孫の宮川清志さん、土方歳三の兄の子孫の土方愛さん、斎藤一子孫の藤田太郎さんが、各家に伝わる伝承や会津との縁などを語り合いました。「新選組展2022」に合わせたバスツアーの一環で実施されました。土方さんは土方歳三が東山温泉で傷を癒やしたことを紹介し、「会津は土方歳三を癒やしたターニングポイントだ」と強調。土方歳三が会津若松市の天寧寺に近藤勇の墓を建てたことについて、「何としてでも近藤勇を供養したかった」と思いをはせました。宮川さんは近藤勇について「ガキ大将と伝わっており、手の付けられない暴れん坊だった」と説明。近藤が雪や雨の日も寺子屋に通ったエピソードなどを紹介し、「実直に続けることがすごいところだ」とした。藤田さんは斎藤一の人柄を「約束を非常に守り、自分の言ったことは守る人」と紹介し、斎藤が会津に墓を建てたことについて、「曽祖父(斎藤)にとって、会津は信頼に値する場所だった」と語りました。福島県立博物館の阿部綾子専門学芸員が新選組展の見どころを解説し、刀工・11代古川兼定が作った土方歳三の愛刀「和泉守兼定」について「古川兼定の地元で展示する初の機会。ぜひ見てもらえれば」と呼びかけておりました。
左から「近藤勇の生家子孫の宮川清志さん」「土方歳三の兄の子孫の土方愛さん」「斎藤一子孫の藤田太郎さん」
もちろん、御子孫の三人も「新撰組展2022」に訪問されました。
【「新選組2022」の展示の模様】
【土方歳三の愛刀「和泉守兼定」】
また、8/6には「新選組展2022」を監修した昭和女子大専任講師の三野(みの)行徳さんが「福島県立博物館」で講演されました。三野さんは「隊士が書いた手紙を見ることで人物像に迫ることができる。新選組が政治集団だったことを知ってほしい」と展示の狙いを語りました。また、三野さんは「新選組局長・近藤勇を読み直す」と題して講演しました。「剣術家」「体育会系のリーダー」「幕府への忠義」といった近藤のイメージは、小説やドラマなどのフィクションによってつくられたものだと説明。近藤が書いた書簡からは、文筆能力は高く、攘夷(じょうい)の実現という具体的な政治的意思を持って活動していたことが読み取れると解説した。その上で「手紙を見て、近藤がどんな人物だったか考えてほしい」と呼びかけた。展示史料の一つ「志大略相認書(こころざしたいりゃくあいしたためがき)」は、京都に着いて1カ月ほどたった近藤が多摩地域の仲間に宛てて書いた書簡。三野さんは天皇と将軍を守り、悪人を懲らしめた後、関東へ向かって攘夷を実行する意気込みが記されていると説明しました。
【近藤勇「志大略相認書」】
新撰組に関する素晴らしい講演とトークショー満載で、まさに、会津は熱い熱い企画が目白押しです。近藤勇、土方歳三、斎藤一の真実の姿が次々と明らかになり興味深いですネ。
【記者 鹿目 哲生】
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