【攬勝亭】
非常に残念なお知らせですが、「攬勝亭(らんしょうてい)を守る会」の皆様が保存に向けて頑張っておられましたが、会津若松市柳原町の日本庭園「攬勝亭」について、土地を所有する仙台市の不動産会社が工事の着手を届け出しました。室井照平会津若松市長は12/7の会津若松市議会一般質問で、「市が土地を取得する考えはない」と答弁しました。市と同社によると、届け出は12/2付。造成するのは庭園を含む約3270平方メートルの土地で、工期は2021年7月までを予定しております。同社は庭園内にある石碑の一部を宅地以外の敷地に移設し、保存する方針とのことです。12/7の一般質問では、戸川稔朗議員が、市に庭園の土地を取得する考えがあるか質問。室井市長は、同社に売却の意思や売買する場合の価格を確認したことはないとし、「財政上、優先順位を付ける必要がある」と述べました。計画に対しては、市民有志が庭園の保存を求め、署名活動を行っております。昨年6月に視察した文化庁の調査官は、改修の履歴がわかる記録が残っておらず、「文化財としての評価は難しい」との見解を示しておりました。1/25には、茶室近くの細長い石碑が、郡山市の安積国造神社で保存されることになり、移設工事が実施されました。同神社の宮司家に生まれた江戸末期の儒学者安積艮斎(ごんさい)が庭園の記録「攬勝亭記」を執筆したことが縁となり、安藤智重宮司が石碑の引き取りを申し出ました。移設される石碑は、高さ約345センチの細長い形状の石碑。表面には、攬勝亭をたたえる文言が彫り込まれております。
また、「享保十九年と記された九華堂東三の句碑」(会津で二番目に古い)と「松平容保公の歌碑」の二点のみを宅地開発される中の緑地に残すことが判明したそうです。何たる暴挙。言葉がありません。
【会津若松市教育委員会からの回答】
【享保十九年と記された九華堂東三の句碑】
【松平容保公の歌碑】
わが戊辰戦争研究会の皆様も署名活動に協力して参りましたが、残念な結果になってしまいました。会津三庭園のひとつの『攬勝亭』がこのような結果になってしまったことは慙愧の念に堪えません。
【記者 鹿目 哲生】
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