『戊辰戦争150年 西郷村の戊辰戦争』(福島県西郷村にしごうむら) 冒頭の「刊行によせて」から
平成30年(2018)は戊辰戦争があった慶応4年(1868)から150年の節目の年にあたります。 本村も戊辰戦争最大の激戦といわれる白河戦争の戦場となりました。 『西郷村史』によれば焼失家数は276戸で、慶応3年の西郷の村々の戸数が365戸ですので、約75%の家々が焼失したことになり、甚大な被害を蒙ったことになります。 それでも先人たちは復興に尽力するだけでなく、戊辰戦争で戦死した人たちの供養も行っています。 当時の人たちが体験した戦争がどんなものであったのか、どんな思いでこの時代を生き抜いたのか、関係する記録を後世に伝えることは今を生きる私たちに課せられた務めなのかもしれません。
特に白河戦争は、当時白河(小峰)城には城主が存在しないため、支配階級である武士の家や藩は存在しませんでした。そのため、会津藩、薩摩藩、長州藩などといったいずれかに偏るのではなく、中立的な立場で歴史や物事を見ることができるのではないかと思います。
また、どうしても“白河”という地域的な括りで一括してしまいがちですが、町場と村里という観点で見るとまた違った歴史の捉え方、地域文化の理解ができるのではないでしょうか。
他方で“東北”という地域は、源頼朝の奥州征伐や豊臣秀吉の奥羽仕置といった時代の転換点に登場し、その都度「中央対東北」という構図が見え隠れし、戊辰戦争もその一つと見ることができます。
大きな歴史の流れの中で見た場合の白河戦争、町場・村里という観点で見た場合の白河戦争、勝者・敗者という見方だけでなく様々な視点から戊辰戦争・白河戦争を考えることが、150年を迎えた意義になるのではないかと思います。 本書がそういったことの一助になれば幸いですし、本村の歴史を知ってもらう機会になればと思います。
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-------------------- 忠之右衛門 (冨田悦哉)
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