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2019年04月号 vol.18

会津五桜

2019年03月16日 10:48 by tetsuo-kanome
2019年03月16日 10:48 by tetsuo-kanome

 四月といえば、会津にも春が到来します。毎年四月の中旬から下旬にかけて会津の桜も満開になります。その中で「会津五桜」と呼ばれている桜を紹介します。

 「会津五桜」とは、石部桜(会津若松市)、薄墨桜(会津美里町)、虎の尾桜(会津美里町)、大鹿桜(猪苗代町)、杉の糸桜(会津坂下町)です。

 「石部桜」は、「大河ドラマ『八重の桜』のオープニングに出てくる桜の木です。石部桜は、樹齢約650年といわれるエドヒガンザクラで、中世会津の領主葦名氏の重臣、石部治部大輔(いしべ じぶだゆう)の庭にあったと伝えられています。10本の幹からな り、枝張は最も広いところで約20mもあり、のびのびと枝を広げるその雄大な姿に魅了されます。周囲が田んぼで囲まれているのでより桜が引き立てられる「石部桜」。八重桜は、品種の名前ではなく八重咲きになる桜の総称のこと。通常の桜の花びらよりも多く花びらをつけ、小さいボンボンのように見えます。ボリューム感のあるなんだかリッチな桜です。まさに“八重の桜”ですネ。





 「薄墨桜」は、会津美里町の伊佐須美神社境内南にある御神木。開花とともに花びらの色がうす墨の入った白から赤味を帯びた色になることから名がつきました。花は香気高く、一枝に一重と八重が混じり早咲き遅咲きもある珍しい桜。毎年4月29日には、この花を餅にまぜてつき氏子に振る舞う「花祝祭」が行われます。



 「虎の尾桜」は、会津美里町の三重の塔で知られた法用寺観音堂前にあります。その形を虎の横たわる姿に見立てた説と、花弁から細い弁が出ているところからそう呼ばれるようになったと言われる説があります。



 
 「大鹿桜」は、猪苗代町の磐椅神社にあり、947年(天暦元年)に村上天皇の勅使が奉納したというサトザクラの一品種で八重桜(子菊桜)のひとつ。花の香りがよく、開花時は白色で、その後ピンク色に変わり、最後は鹿の色に似ることから「大鹿桜」と呼ばれる。標高580㍍の高地にあるため、福島県内で最も遅く咲く桜の名木の一つ。鹿のような形が由来かと思いきや鹿の毛色に変化することが由来の「大鹿桜」。GW後半から5月下旬が見頃で、会津五桜の中では最も遅咲き。開花期間が長いことから「翁桜」とも呼ばれるそう。ソメイヨシノよりも濃い色の花を咲かせます。

 

 「杉の糸桜」は、会津坂下町杉集落の薬王寺境内にあり、天正年間(1573~1592年)に植えられたというシダレザクラ(エドヒガン)の変種です。現在は、古木1本と若木2本が微紅色の美しい花をつけます。まるで滝のごとく流れるように垂れている様子から、糸桜と呼ばれるようになったそう。会津五桜の中では唯一の枝垂桜です。



 皆様も、桜の満開時期に会津に足を運んで頂き、会津五桜をご堪能ください。

【記者 鹿目 哲生】

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