2024年春季号 vol.5
今年は3月後半が寒かったせいか、例年より桜の開花が遅くなっておりましたが、全国…
令和5年4月、季刊誌となりました『ザ・戊辰研マガジン』第1号をお届けします。
本年は、文久3年(1863年)に起きた「八月十八日の政変」から160年の節目です。その年は京都守護職の会津藩が最も輝いていたときで、さらに新選組が誕生した年でもあります。
「八月十八日の政変」とは、朝廷内で過激に攘夷を叫び盛んに偽勅を発していた公卿たちと背後の長州藩を京都から追放したクーデターで、「七卿落ち」とともに幕末史に刻まれています。
会津藩辰野隊鈴木丹下の「騒擾日記」に拠ると、黒谷の本陣を出て鴨川を越え朝8時ごろに蛤御門に着いた同隊は、すぐに紫宸殿正面建礼門の警固を命じられます。建礼門は天皇のためだけに開けられる御門で、その警固が他藩ではなく会津藩に任されたのです。
同じ手記に拠れば、正午過ぎ、壬生浪士組が揃いの羽織を着て蛤御門に到着します。彼らは雨の降るなか夜通しで建礼門を守り抜きます。会津藩は、その活躍に対して、浪士組へ同藩縁の新選組という隊名を授けます。ここに誕生した新選組は、朝廷に逆らう勢力を席巻し、幕末の京都で恐れられる存在になっていくのです。
孝明天皇は政変の直後、会津藩主松平容保へ感謝と信頼を寄せた宸翰と御製二首を下賜されます。やはり政変後、会津藩は御所の西近くに用地を確保し守護職上屋敷の建設に着手しますが、それは、天皇の強い要請に容保が応えたものでした。
翌年、長州藩が御所へ攻め込む「禁門の変」でも、会津藩は天皇を確かにお守りしました。
明治維新を暴力革命とせざるを得なかった薩摩、長州の二藩は、その正当性を担保するために会津藩を朝敵としました。上述の事実から、会津藩は本当に朝敵だったのでしょうか?
宮内庁書陵部・白石烈氏の研究に拠ると、明治天皇は22年(1889)に先帝の宸翰と御製を容保から取り寄せ、筆写を命じています。さらに35年(1902)には、松平家の困窮に御手許金を下賜されます。いずれも、守護職を務めた会津藩の誠意と献身を認められてのことでした。
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新年明けましておめでとうございます。今年の干支は辰。辰年は政治の大きな変化が起…
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