バックナンバー(もっと見る)

2024年春季号 vol.5

今年は3月後半が寒かったせいか、例年より桜の開花が遅くなっておりましたが、全国…

2023年秋季号 第3号

戊辰戦争では、当時の会津藩は鳥羽・伏見の戦いで「朝敵」とみなされ、その後も新政…

ザ・戊辰研マガジン

2023年夏季号第2号

安倍元総理の国葬に招待されなかった会津若松市長と長州と会津の友好を考える会

2023年06月08日 06:55 by tetsuo-kanome
2023年06月08日 06:55 by tetsuo-kanome

 新島八重顕彰会によると、昨年、9月27日に執り行われました安倍元総理大臣の「国葬」に、福島県の郡山市、いわき市、相馬市、南相馬市、伊達市、広野町、楢葉町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、そして福島県知事を含め、上記12市の首長が出席した。あれ?会津若松市長の名前がない。不思議に思い調べたところ、会津若松市長には招待状が来なかったという。呼ばれてもいないのにのこのこ参列するわけにはいかない。「長州出身の首相の葬儀に150年前の敵の首長は呼ばない。」と官僚は忖度したのか? 国葬後、岸田首相は後世の為に検証して公表すると言っている。聞く耳を持っていると言いながらほぼ独断で国葬を強行した。今までのぶら下がり会見・国会答弁を見ても優等生的な受け答えで内容が伴っていないのでもとより期待はしていない。全国の首長には総務省がリストを提出したのだろうが、福島県の会津若松市と福島市にはなぜ招待状を出さなかったのか?招待状の発出基準を示してほしい。行政レベルでは選挙対策上、会津は長州と仲良くできない。「薩長にやられた」と言わないと会津若松市長選挙では当選がおぼつかなくなるからだ。だから「過去の怨念は消えないが切磋琢磨して、仲良くやっていこう」という形になっている。「長州と会津の友好を考える会」会長の山本貞壽氏は自前で60回以上会津を往復し、草の根の交流を続けている。山本氏は6月の京都會津会の法要には毎年山口県から参加している。新島八重墓参りツアーは京都會津会法要に合わせて計画していたので、同じホテルに宿泊し、前夜一緒に我々一団とハモ料理を食べた。草の根では会津と長州にわだかまりはない。ところが今回の国葬で会津若松市長に招待状が届いてないと聞いて、大笑いせずにいられなかった。よくタイミングよく空白ができたものである。招待状の件を聞くまでは自らの政治信条により室井市長は参加を見送ったのかと勝手に評価していたのだが、招待状が届いていなかったので、出欠の判断の必要無しという幕切れであった。

 どうして、こうなってしまったのでしょうか?福島県内の市町村への招待状を送った基準が腑に落ちません。会津若松市民の正直な感想だと思います。 加えて、私が気づいたのは、招待状が来なかった福島市、二本松市、白河市も、奥羽越列藩同盟だったためかもしれません。福島県の中通り地方て、招待された郡山市と伊達市は、奥羽越列藩同盟に入っておりません。単なる偶然であって欲しいですが・・・。 

 一方、今年2月に、会津民俗研究会主催で萩市との友好を奨めるために、会津からの一行が山口県萩市を訪問しました。特に、吉田松陰ゆかりの世界文化遺産に指定されている松陰神社内の松下村塾において吉田松陰の生い立ち・成長過程・終焉に至るまで白上 陽一郎宮司より直々にご講義いただきました。当時と同じく幕末に活躍した学者や政治家・志士の方々と同じくその空間において講義を受けたことが、会津からの一行は、稀有な事でありこの上ない喜びで大変、感動したそうです。今回の得難い事業を企画した会津民俗研究会の会長の滝沢洋之氏と、準備して設営・実行して頂いた「長州と会津の友好を考える会」会長の山本貞壽氏の企画は素晴らしいと思われます。

【吉田松陰の肖像画】

【松下村塾で学んだ幕末の志士】

【佐藤栄作元首相の揮毫による“明治維新胎動之地”の石碑】

【松下村塾】

【明倫学舎※長州藩の藩校。全国の藩校の中で三本の指に入るほど有名。多い時には3000人が学んでいた】

【「長州と会津の友好を考える会」の原田靖子さん宅に会津若松市のポスターがところ狭しと掲載されています】

【高杉晋作誕生地※高杉晋作は奇兵隊を創設し活躍しましたが、肺結核を患い28歳の若さで亡くなりました】

【萩城跡】

【長州藩初代藩主の毛利輝元像】

 この二つの対象的な出来事を皆さんはどう思われますか?安倍元総理の国葬に会津若松市長が招待されなかったのは不思議です。しかも、郡山市長が招待されて、県庁所在地の福島市長も招待されていないのが不自然です。国葬を企画した方々の忖度の基準が全く理解できません。

 逆に、「会津民俗研究会」と「長州と会津の友好を考える会」の方々の民間レベルでの交流は素晴らしいです。特に、「長州と会津の友好を考える会」の原田さん宅に掲載されている会津の数々のポスターには、会津愛が感じられ、とても嬉しくなりました。

 私は、今後の「長州と会津の友好を考える会」の動向を期待したいと思っております。いつの日か「会津若松市長と萩市長が笑顔で握手している姿」を期待しております。

【記者 鹿目 哲生】

 

 

 

読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

2024年春季号 vol.5

今年は3月後半が寒かったせいか、例年より桜の開花が遅くなっておりましたが、全国…

2023年秋季号 第3号

戊辰戦争では、当時の会津藩は鳥羽・伏見の戦いで「朝敵」とみなされ、その後も新政…