【会津松平家第15代松平親保氏】
戊辰戦争以来、会津松平家が会津若松市に“帰還”した。会津松平家15代の松平親保(ちかもり)さん(24歳)はコンサルティング大手アクセンチュアに今春入社し、市内の拠点で働いている。IT技術を用いたまちづくり「スマートシティ構想」の実現が目標だ。会津藩祖の保科正之から幕末の松平容保まで、代々の藩主が治めた縁深い城下町で「市民の皆さんがより誇りを持てる地域にしたい」と地域貢献を誓っている。
会津松平家は戊辰戦争後は会津を離れ、東京都に居を構えた。容保のやしゃごに当たる親保さんも都内で生まれ育ったが、父で14代当主の保久(もりひさ)さん(69歳)から事あるごとに「会津を大切にしなさい」と教えられて育った。
幼い頃から保久さんに連れられ、歴代藩主の供養のため国史跡・会津藩主松平家墓所(市内東山町)で行われる「お花まつり」に参列してきた。成人後は秋の「会津まつり」の会津藩公行列で容保役を務めている。
地元の人々と交わる中で時代が移り変わろうとも一族を慕ってくれる会津への感謝の念が膨らんだ。「会津とは見えないところでつながっている。どんな形でも、いつかは会津に貢献したい」と考えるに至った。
母校の早稲田大政治経済学部では映像ジャーナリズムを専攻した。就職活動で幅広い業界を調べる中、スマートシティの構想を知った。歴史が息づく城下町の課題を、最先端のIT技術や官民連携で解決する試みに心引かれた。会津で働きたいとの思いが強まり、構想の中核企業であるアクセンチュアに入社を決めた。
これまでは会津は行事で訪れる場所で、松平家の一員として関わってきた。現在は初めての1人暮らしをしながら、市内のオフィスビル「スマートシティアイクト」で新人研修に励む。「何度も来ているけれども知らない場所は多い」。豊かな自然を肌で感じ、休日は仲間と地元のゴルフ練習場に出かけるなど、会津での暮らしを楽しむ。地域の人と酒を酌み交わした際には「松平家の人が会津に戻ってきてくれてうれしい」と歓迎の言葉をもらうこともあり、会津とのつながりを感じている。研修が終わり次第、プロジェクトに本配属され、本格的な社会人生活がスタートする。「歴代が築き上げた町をITの力を借りて、さらに発展させたい。会津若松は歴史ある土地だが、最先端の地域でもあると多くの人に知ってほしい」と意気込む。一人の市民として地域の魅力を発信する。
【2019年の会津まつりで松平親保さんは、松平容保公役を初めて演じました】
ふ
【松平容保公と第15代松平親保氏・・・やっぱり似てますね】
会津松平家のお殿様、会津へおかえりなんしょ!会津藩第9代藩主松平容保公以来、第15代松平親保氏が会津にお帰り頂いたことは、誠に恐悦至極でござる。
今年の会津まつりの松平容保公役は、間違いなく松平親保氏が演じるだろうし、さぞ盛り上がることでしょう。松平親保氏が、故郷会津の地でのご活躍を祈念しております。
【記者 鹿目 哲生】
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